ケアコミュニティー みちふの森

Facilities-introduction

施設紹介

メッセージ

社会福祉法人 東京緑新会は平成21年4月に東京都から民間移譲をうけ、福)東京緑新会として運営を始めて10年が経過しました。私たちは、法人が掲げる基本理念の基、障害者が暮らす施設の運営を母体に、地域で暮らす様々な障害を抱える方の日中活動支援や相談支援事業を進めて参りました。


「ケアコミュニティー みちふの森」は、障害を持つ方々が安心して生活できる居場所として、2026年4月に新たに開所いたします。この施設は、地域社会とのつながりを大切にしながら、利用者の皆さまが心豊かで充実した日々を過ごせるよう、多彩なサービスと温かな支援を提供いたします。

施設概要

運営方針

私たちは、障害者の人権を尊重し、虐待を許さず、当事者の立場に配慮した権利擁護活動を通じて、障害者権利条約を規範とした差別のない一人ひとりに優しい社会づくりに取り組みます。そのために「重度者支援」「地域生活支援」を二つの柱として、日中の時間帯における生活の場を提供し、食事や入浴等の介助支援をはじめとして、利用者と共に各種創作活動を行います。また、ご家族の方々の負担軽減や障害当事者の自立支援の一環として、短期入所事業を行います。

施設の基本コンセプト

私たちが運営する事業所の基本的役割を「『自分の居場所』としての認知、『自分の役割』の発見」として表現します。 生活介護事業所は、就学期よりも長く過ごす場所です。通所することが楽しく、自分の主体的役割を認識できるよう支援します。 短期入所事業は、住み慣れた自宅を離れ、一日という単位で「他者」からの支援を受けて生活する場所です。楽しいことや不安なこと、失敗したことや頑張ったこと、そうした経験をたくさん積むことで、次の一歩を踏み出す力を身に付けていただけるよう支援します。

仲田素直 施設長インタビュー

未来を共に育む場所
〜地域と障害者が繋がる新たな拠点〜

私が子どもの頃になりたかった職業は、漠然と「動物と生きる仕事」「畑を耕す仕事」「ものを作る仕事」どれも第一次、第二次産業に分類される仕事ばかりでしたが、結局そうした職には就かず、現在は「障害をもつ方が市民として地域で暮らすことを後押しする」仕事、相談支援専門員をしています。相談支援は、人と人とつながり、その輪を広げることで成り立つ仕事です。多くの尊敬する障害当事者や専門職との出会いがありました。  

その中の一人に、脊髄性筋萎縮症Ⅱ型という難病を患い、44歳で亡くなった海老原宏美さんがいます。彼女は「役に立たなければならない」「生産性がなければいけない」と価値を求める現代の傾向を危惧し、「どんな人にも平等に『命の価値』はあるが、敢えて『命に価値なんてない』」と主張しました。「命を価値の土俵に乗せてはいけない」、「価値は見つけるもの、創造するもの、それが人間だ」と語っていたのが印象的です。

幼い頃に憧れた第一次、第二次産業。障害福祉が分類される第三次産業、そこに第六次産業まで加わりました。私たちの生活スタイルは、膨大な情報とともに目まぐるしく変化し続けています。

そんな中で起きたのがコロナ禍でした。人は本来、濃密な人間関係の中で育ち、学びます。オンライン授業や会議は可能であっても、心を揺さぶるような深い学びや出会い、プレゼンテーションは難しく、ましてやオンラインでの育児や介護には限界がありました。文明がどれほど進化しても、人の心や命に関わる本質的な営みには、リアルな関わりが必要なことが多い。そのことを、コロナ禍を通じて私たちは学んだのだと思います。

利用者:医療的ケアを必要とする重度身体障害者の方を主な対象としています。

「ケア」という言葉は「介護」と同義語で使われますが、「ケア」を「介護」と訳すには問題があります。私たちが考える「ケア」とは「看護、介護、介助のほか、リハビリテーションや医療等も包括し、障害のある方の社会参加を支援するすべてのサービスを含む概念」です。そしてコミュニティ・ケアの「ケア」は地域の「組織化」も含む広い概念であるとも言えます。みちふの森の「ケア」は、ケアする人とケアを受ける人との一方向的な行為ではありません。  利用する方の「尊厳」「個別性」を重んじて、その方の「ニーズ」「自己実現」を援助する「行為」「関係性」「感情」「コミュニケーション」であり、結果として「利用する方、働く職員の成長や自己実現」が目指される場所、そんな地域の拠点を目指します。  私たちは、「価値をみつけ創造する施設・ケアコミュニティーみちふの森」を、利用する方・ご家族、地域の皆様とともに創っていきます。ご支援ご協力をどうぞよろしくお願いいたします。

当事者さんとご家族への想い

東京緑新会では、当事者さんとご家族の皆さまが抱いているさまざまな想いや願いを、大切に受け止めます。

東京緑新会に集う当事者さんは、それぞれ異なる背景や生活の中で、さまざまな課題や不安を抱えていることも多いです。しかし、その一方で、皆さまが日々を充実したものにしたい、笑顔で過ごしたいという強い願いをお持ちであることを、私たちは感じています。

みちふの森での生活は、そんな課題や不安を解消し「自分らしくいられる場所」でありたいと考えています。ここでは自分のペースで、できることに挑戦しながら、自分の役割や可能性を見つけ出すことができるよう私たちは日々支援を行っています。皆さまが一歩一歩前進し、時には新しい自分を発見する瞬間に立ち会えることは、私たちスタッフにとっても大きな喜びです。

ご家族の方々にとっては、安心して大切な方を預けられる場所であることが最も重要です。ご家族の皆さまが抱える負担を少しでも軽減し、心の安らぎを提供できるよう、私たちは全力でサポートしています。また、みちふの森が、地域の中で共に支え合い、つながりを築く場として、ご家族の皆さまとともに歩んでいけることを願っています。

私たちは、当事者さんとご家族の声に常に耳を傾け、その想いを共有し、施設の運営に反映させていくことを大切にしています。